軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』155号・要約

父を返せ! 中国からの声を届ける
~2年ぶりの厚労省交渉を開催す~

鳥居 靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・事務局長)

甲田さんに要請書を提出

 4月6日(金)、発掘調査のために2年間中断していた厚労省厚生科学課との交渉が復活。731部隊犠牲者・李鳳閣さんの写真を厚労省に提出し、89年に発見された人骨との照合・身元確認を行うよう、娘の李鳳琴さんの要請を伝えた。また91年に人骨の身元確認を要請している張可偉さんから改めて要請書を預かり、父・張恵忠さんの写真と共に提出した。厚生労働省側は大臣官房厚生科学課・甲田徳康課長補佐が出席。人骨の会からは、川村一之、平野利子、根岸恵子、鳥居靖の4名が参加。人骨の調査については、新たな手掛かりがないので特に進展はないという回答。私たちは、シベリア抑留者のDNA鑑定、フィリピンの遺骨収集におけるミトコンドリアDNA鑑定などを例示して調査の現実性を訴え、また防研跡地や整形外科学教室跡の発掘調査の結果も由来調査の参考にすべきこと、データベース化が必要であること、残っている軟部(脳や筋肉・眼球など)を手掛かりに調査できないかなどの指摘をした。

陸軍軍医学校跡地で発見された人骨問題に関する質問と要望
張可偉さんの要請書
張可偉さんの父
張文善(本名張慧忠)

要請書

李鳳琴さんの要請書
李鳳琴さんの父
若かりし李鳳閣

要請書

前列左下が李鳳閣

王亦兵さん、来日
厚生労働省に申し入れ

根岸 恵子

要請書を出す王亦兵・王曉光さん親子

 引き続き、5月13日、731被害者遺族の王亦兵さん、王暁光さん親子は、89年に発見された人骨の調査などについて申し入れを行った。

 王亦兵さんの父・王耀軒さんは、1943年に大連で起きた国際諜報事件「大連黒石礁事件」で日本の憲兵隊に逮捕され、「特移扱」で731部隊に送られた。申し入れには王さん親子の他、人骨の会からは川村、奈須、原渕、根岸が参加。通訳は上村まちこさん。厚生労働省はこれまでの経緯、省として由来調査を行なったこと、人骨が納骨施設に納められ毎年拝礼式を行なっていることを話す。また、川崎二郎、舛添要一元厚生労働大臣の決定などにも触れたあと、昨年の防疫研究室跡地での発掘調査について説明。また、中国の731部隊被害者遺族への厚生労働省から経過報告すらないのはおかしいのと言ったことに対し、「今後検討する」という回答を引き出した。

王亦兵さんの要請書
李振声
劉万会
楊学礼

要請書

お花見ウォーク、盛会に終わる

安松 狢

大久保通りを歩く

 4月1日の午後、集合場所の新大久保駅前出発。今年の参加者は40名。

 案内は鳥居。「高麗博物館とwam(女たちの戦争と平和資料館)の間をつなぐフィールドワークコースを歩く」というのが今回のテーマ。ただし、両博物館には寄らなかった。軍医学校跡地には、人骨発見現場と納骨施設、2ヶ所の人骨発掘現場がある。参加者の注目度も高かった。最後に新宿区障害者福祉センター会議室で川村さんの解説。

アンケート結果 省略

連続フィールドワークの予定
詳細

「人体の不思議展」損害賠償請求事件について公正な判決を求める団体署名協力への御礼、ならびに関連掲載記事等送付の件

「人体の不思議展」中止。京都府保健医協会からのお便り。宗川裁判は今後も継続。高裁に向けての署名活動始まる。

2012年4月6日

京都府保険医協会 理事長 関 浩

 団体請願署名にご協力、ありがとうございました。

 民事訴訟(宗川訴訟)に対する京都地裁の判決は棄却(2012年2月14日)となり、控訴中。刑事告発は不起訴(2011年12月21日)だが、法務省刑事局はプラストミック標本を「死体」と認定、従って展示は違法。今後は死体解剖保存法違反に問われる。

 医療界の中にも同展への疑問が広がり、日本医師会第Ⅶ次生命倫理懇談会も答申「移植医療をめぐる生命倫理」(2012年3月7日発表)の中で、同展について「遺体の扱いにおいて人の尊厳に反し、倫理的に認められない」との見解を明らかにし、同月、人体の不思議展実行委員会はホームページで、同展の終了と実行委員会事務局の解散を告知。

新聞記事
京都保険医新聞:人体の不思議展 実行委が解散:2012年4月5日

人骨発見23周年集会
改めて問う!あなたはだれ?
軍医学校跡地発掘調査(2011-12)が終わって89年「戸山人骨」について見えてきたこと

期日:7月22日(日)
会場:ウィズ新宿3階会議室
参加費:1000円
報告:川村 一之(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会)「財務省の発掘調査と人骨」
コメント:宇田川 肇(日本考古学協会会員)「二ヵ所の発掘調査に携わって」
講演:馬場 悠男(元国立科学博物館人類研究部長)「人類学の進歩と人骨」
コーデイネーター:常石 敬一(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・代表)
主催:軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会
共催:新宿区婦人問題を考える会
連絡先:080-3157-1858(鳥居)

2012.5.27

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