The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College
10月7日:生活協同組合レッツゴー!ピース委員会主催のフィールドワーク。参加者約20名。
11月22日:多摩地域法律事務所交流会主催のフィールドワーク。参加者は68名。
12月21日:中央大学長谷川ゼミ10名。
レッツゴー!ピース委員会:塩谷 美樹
大久保から戸山公園まで、戦争は遠い昔の出来事ではない。宋慶齢と孫文との結婚がひっそり行われていた場所も知ることができ、思いもよらぬ収穫。歴史の実感はますます増し、七三一部隊の中枢である陸軍軍医学校防疫研究室の跡地へ。戦争の暗い影に押しつぶされそうになったが、納骨施設が唯一、胸中のわだかまりをやわらげる。
武蔵野法律事務所・弁護士:坂倉 渉太
鳥居靖先生、江川由香里先生に新宿区戸山の旧陸軍軍医学校跡地を案内・解説を受けた。人骨の真相は未だ不明であり、事実調査が不可欠。その後、ヘイトスピーチ問題について神原元弁護士から解説を受けた。人骨問題もヘイトスピーチ問題も戦後補償の問題が関わる。ドイツの戦後補償は事実調査に対する姿勢について見習うべきものがある。
解説をしてくださった先生方に、この場を借りてお礼を申し上げたい。
毎日新聞朝刊1面:ビキニ水爆実験 船員被ばく追跡調査 厚労省 福竜丸以外で初《2015年1月5日(月)》
講演録(2):石原 憲治 さん(千葉大学大学院特別研究員・元厚生労働大臣秘書官)
死因・身元調査法と、死因究明等推進法の話。2004年から、議論を開始。
パロマの湯沸し器の事件では、確定しているだけでも21名、100名は死んでいるだろうといわれている。北海道で最初に死因究明をしていればこういった死亡事案は見なくて済んだ。東京都は監察医務院があるので、一酸化炭素中毒だという事がはっきりする。最初に亡くなってから10年以上。いろいろ議論したうえで、2007年6月に法律を出した。議員立法で法律を出し読売新聞にでかい記事を出した。法案提出の5日後に時津風部屋の力士暴行死事件が起こる。よくこれをきっかけにして死因究明の議論が高まったというが、その前から取り組んでいた。この事件があって、当時の自民党・公明党も、これはやらなくてはいけないと思い始めた。その後民主党が政権を取って厚労省秘書官になったので、厚生労働省にも働きかけた。当時野党の自公も死因究明推進法案を提出。
民主党政権下で、警察庁におかれた研究会が最終とりまとめを出す。これが11年4月。震災で遅れ紆余曲折があって、議員立法として、最終的には翌年の6月に二つの法律が通る。
日本の検死制度はどうなっているか。解剖率は1.6%、千葉県は監察医制度なく0.7%。東京都は3.5%。だいたい世界標準は5%から20数%くらい。日本でも明らかな自然死以外の死体は警察に届け出ることになっているが、基本的には医師法21条でもって死体に異状がある場合には警察に届け出る。ところが、「異状」の定義が明確でないため、積極的に届出をしない医者もいる。昨年「日本医事新報」に投稿したところ、すぐに医者と弁護士から反論が来て、今また再反論の準備している。日本は犯罪又は犯罪の疑いが低いといわれた場合は、外表検査だけで死因が決められる。犯罪の疑いが低い場合も、死因究明するようにした。
死因究明等推進法は、あと二ヶ月で失効する。今自民党・公明党がそれに代わって基本法を提出している。
先月(6月13日)、死因究明推進計画が閣議決定した。ところがほとんど骨抜き。例えば専門的機関の「機関」という言葉を抜いて新しい予算は措置できない。あまりにも役人が酷いんで自民党の議員ももう少し政治家のリーダーシップを発揮しなくちゃいかんと考えている。中身は、政府は施策の管理・調整体制を築き、具体的な施策は地方協議会を開催し、決定する。地方は金もないし、そんなに死因究明の喫緊の課題というのを理解できるかどうか難しいので、本当に専門的機関ができるかどうかは非常に不安。それからDNAや歯科情報のデータベース化が盛り込まれているけれども、歯科情報は個人情報との兼ね合いもあり、かなり難しいんじゃないかという話も。DNAは、今、科警研で、犯罪者(被疑者)全部のDNAを採っている。指紋はやはり警察が採っている。だから犯罪関連についてはけっこうデータベースできているけれども、行方不明者はない。日本は今年間1000体の身元不明死体がある。これは異常。身元不明死体の身元をろくに究明しないでそのまま市町村に送って埋葬しちゃう。
後はこの死因身元調査法の検証。司法解剖やっていたのが新法に変わっただけ。何のための法律かわかんない。神奈川は今までいい加減だったので、これは意味があった。それから単純に司法解剖が減ってCTばっかり増えた、これは完全に後退。青森、愛知、佐賀、奈良、香川、福岡、沖縄などは、しっかり司法解剖もやりながら、グレーゾーンの所は新法で増やしている。当初期待された地方格差の解消にはむしろ逆行。例えば福岡とか愛知は都会でもともと解剖数が多く、大学も四大学あり、増えるのは当たり前。沖縄は健闘している。元々アメリカの施政権があったので、行政解剖に対する理解が進んでいる。
なにしろ県警ごとに大きな差がみられ、基準が全くない。警察は国会で、基準は必要ないと答えた。そんなバカな話ない、しっかり基準を設けるべきだ。
(以下、次号に続く)
講演資料
(※画像が荒く、一部文字が読み取れないファイルが含まれます)
人骨問題が生まれた陸軍教育の地を歩き、日本と朝鮮半島の歴史を学び、これからを考える
期日:3月29日(日)12時45分(出発13時)
集合:営団地下鉄東西線早稲田駅3番(a、b)出口方面改札口
2015.1.25
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