軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』99号・要約

究明する会、毒ガス展実行委員会、調査会法市民会議、
新宿区議会に相次いで陳情書提出

川村 一之

 6月13日、新宿区議会の改選後、最初の定例会に提出した三本の陳情審査。

 議会事務局に陳情書を渡す。
 午前中は旧陸軍軍医学校跡地で発見された人骨問題の解明に関する陳情と恒久平和調査局設置法案の成立を求める意見書提出に関する陳情の審査が総務区民委員会であった。関係者の傍聴は渡辺、石川、平山、川村の四人。
 審査終了後理事会が行われ、人骨問題の陳情は継続審議となったが、河野達男委員(社民)が提案した保管施設への視察を行うことが決まったことは大いなる成果であった。
 その後に審査が行われた恒久平和調査局設置法案に関する陳情も継続扱いとされた。

 午後は、環境建設委員会に付託された日本軍の毒ガス被害から区民の健康と安全を守るための措置をとることに関しての陳情の審査を傍聴した。陳情は継続審議となったが、新宿区は旧軍毒ガス問題を考慮して、陸軍第六技術研究所の周囲約一キロメートル以内の約一五箇所の井戸等の水質検査を行うことになった。調査するのは旧陸軍が保有していたとされる毒ガスに含まれる砒素と全シアン。七月末までに調査結果をまとめ区民に公表する予定。

2003.6.16

陳情書

軍医学校跡地と納骨施設は人気スポット

6月1日は、長谷川順一さん(元新宿区議・新宿平和委員会)の案内によって、民医連・信州大学学生(総計5名)の一行がフィールドワークを行いました。

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人骨問題を究明する会
大学生は見た

人骨発見現場と納骨堂をフィールドワーク

 6月1日(日)、中央大学法学部政治学基礎ゼミ(講師・長谷川曽乃江さん)の学生10名が、軍医学校周辺と市谷靖国神社の遊就館を見学しました。鳥居が軍医学校周辺を案内、パネルを使って説明をしました。後日、学生の皆さんの感想をいただきました。

戦後50年をとっくに過ぎているのに、現在になって思わぬ不快感を被らなければならなかったり、争議を引き起こす原因になったりと、いまだに戦争をひきずらなければならないことが不愉快。…H.S
戦争を知らない後世に、何が起きていたか、事実を明らかにしてほしい。…M.O
戦時中の残虐な行為にひどく嫌悪感をおぼえた。亡くなられた方々やその遺族のためにも人骨問題の究明は必要。…C.N
ピストルで死体の頭を打ち抜き、実験していたときいてゾッとした。…K.M
普通では考えることができない人骨の形。これは軍医学校の人が人体実験で使ったためだからだそうです。とても残酷でした。…K.O
七三一部隊は知っていた。しかし、東京でも行われていたことには驚いた。…D.M
発見地の周りが公園などの娯楽施設に変わっていることに驚かされた。施設を建てる前に調査を徹底すべきだ。…M.I
市民の力が行政を動かしたということには驚きました。私達は過去のことについて知らなければなりません。第二の人骨問題も早く究明されるよう願っています。…M.O
鳥居さんの話を聞いて一番印象に残ったのは、中国人の体を銃で撃ち、チームに分かれて治療し合うというものである。あまりにも残酷。戦争の脅威を改めて実感させられた。…N.M
政府は何か問題が起きても、すぐに対応しないで先延ばしにする。人骨問題もそうだ。住民が動いたのはとても良い。国民全員が興味をもち事実を知るべき問題。…T.I

大隈重信ゆかりの蕎麦屋「三朝庵」で昼食

人骨問題は学生たちにとってはかなりインパクトのある事実だったようです。東京生まれ、東京育ちの私も、あらためて軍都・東京を再認識するとともに、戦争と医学(あるいは学問全般)との結びつきを実感しました。

長谷川 順一

2003.6.29

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