The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College
7月21日(日)、恒例の集会を開催。お昼頃納骨施設に献花をした後、午後2時から人骨鑑定者の佐倉氏の講演。参加者は40人。
佐倉と申します。10年前に公表された鑑定書の鑑定人です。国立科学博物館人類研究部にいた。専門は人類学。人類学の対象は、形態、歯や骨を扱うもの、生理学、生化学、遺伝学的などいろいろあるが、私の専門は形態。
もともと法医学の研究室にいたことがあるので、裁判所、弁護士、行政などから鑑定の依頼は多くある。人骨が発見されて間もなく新宿区から相談があり、その後、新宿区は実際に鑑定することを決定し鑑定人を探したが見当たらなかった。二年経ち、私が札幌学院大学に赴任した時鑑定依頼があり、それで受けた。
骨は新宿区百人町の葬儀屋の地下室に保管してあった。設備のない、湿っぽくて暗くて大変な部屋に、ダンボールに骨のかけらが詰めて積んである。そういう状況。
鑑定ができるような設備をさせた。そのお金はみんな鑑定料につけてきた。飛行機代が一回で4万円、通算すると旅費だけで100万円かかった。
鑑定資料はとってある。現場で骨の形態を調べて、記載して、計測する、写真も撮った。血液型など自分でできないことは専門家に頼む。そのために随分骨を切り取った。必要な資料をある程度持ち出してそれぞれの専門家に依頼したり、意見を聞いた。人骨に付着していた土も、専門家に検査依頼した。できることは、万事可能な限りやった。
その結果、翌年の3月、年度末に鑑定書を出した。いろいろな問題があるので記者会見をやった。鑑定書を出す前から、マスコミから取材された。新宿区は私が鑑定人であることは伏せておきたいというので、誰が鑑定人かはわからないけれども、一般的な学問的な話ならできるということで取材を受けた。
(以下次号)
組パネル『「人骨」は訴える』が完成。7月13日~21日は新宿区早稲田奉仕園で、8月12日~17日は新宿区若松地域センターで展示。8月は、平和のための戦争展の企画で、長谷川順一、川村一之両氏がフィールドワークを行い、そのコースに組み込んで、パネルを見学した。
以下省略
2002.9.8
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