軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

2004年3月10日

内閣総理大臣
 小泉純一郎 様
厚生労働大臣
  坂口 力 様

軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

代表 常石 敬一

厚生労働省が保管する「89年人骨」の身元確認調査に関する請願

請願の主旨

 政府及び厚生労働省に、1989年7月22日に旧陸軍軍医学校跡地(当時の国立予防衛生研究所建設現場・現国立感染症研究所)で発見された人骨(以下、「89年人骨」という)の身元確認調査ため、以下の事項を請願します。

  1. 「89年人骨」の個体数確認と遺族確認に必要なDNA鑑定を実施すること
  2. 「89年人骨」の母系血縁を明らかにするため、ミトコンドリアDNA鑑定を実施すること
  3. スーパーインポーズ法による身元確認のため、頭蓋骨の3次元化データ測定を行うこと
  4. 以上のデータをそろえた上、国内外に遺族の照会を実施すること
  5. 旧防疫研究室跡地の「新たな人骨」に関する調査を実施すること

理由

 「89年人骨」は「土地の管理者である厚生労働省」が引き取り、「新たな調査の手がかりが得られることもあり得ることから、現状のまま保管」されています。軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会(以下、「究明する会」という)は、2003年3月10日に提出した請願で内閣官房に担当部署を設け、厚生労働省を中心に他省庁も参加する「人骨」問題関係各省庁連絡会議(仮称)を設置して解決に当たることを要望いたしました。しかし、政府はその後も、「89年人骨」問題を戦時中の未解決問題と認識せず、解決促進に向けた何らの動きも見せていません。
 よって、「究明する会」は政府及び厚生労働省に、身元確認に必要な事項を速やかに実施するよう求めることにいたしました。最初に「89年人骨」の身元調査の前提として、DNA鑑定によって100体以上といわれる人骨の個体数を確定することが必要です。核内のDNA鑑定によって個体のDNAの塩基配列を分析しておけば、遺族の身元確認を行うことも可能になります。さらに、人骨のミトコンドリアDNA分析を行えば、個体の母系血縁をたどることができ、遺族の範囲を広げることができます。また、頭蓋骨の写真と本人の顔写真を重ね合わせて身元を特定するスーパーインポーズ法も「89年人骨」の身元確認にとって最適な方法だと考えます。以上のデータをそろえれば、これまでの由来調査をもとに日本国内やアジア諸国に関係者の照会を求めることが可能になります。なお、「究明する会」は「89年人骨」の身元確認調査のためにも陸軍軍医学校に隣接する旧防疫研究室跡地の「新たな人骨」問題の調査も不可欠と考えております。

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