軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』162号・要約

人骨発見24周年集会
寄り添う医師と切り捨てる医師

7月21日(日)若松地域センター
講演:常石 敬一(神奈川大学) 参加費:500円

 原爆の被ばく者認定基準がある。水俣などの水銀中毒被害やカネミ油症被害の認定基準がある。それらの認定基準を厳格に適用して患者を切り捨てる医師がいる。一方、あくまで患者の立場に立って、何とか救うことはできないかとあれこれ手を尽くし、患者に寄り添う医師がいる。
 一般に人が病気になる時に、その症状や回復は、病原体などの病因のみにその原因を求めることはできない。患者の主体的要因―免疫力や抵抗力などに加え、発症の社会的要因も含めて、複合的に判断しなければならない。それは放射線や毒物を原因とする場合も同じである。
 医師の良心、力量は、その医師が患者一人ひとりとどれだけ向き合い、治療の可能性を追求できるかにかかっている。被害者に寄り添う医師の視野は、被ばく者は、カネミ油症の被害者は、有機水銀の被害者は、どうしたら社会の目を意識せずにこうむった被害を訴えることができるかという社会の在り方にまで及んでいる。

梅雨をふき飛ばす靖国?
第二回、参加者はやや少なめに

鳥居 靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・事務局長)

逓信病院前(奥に朝鮮総聯本部)でお巡りさん止める
遊就館一階ロビーまでは無料
爆弾三勇士(大灯篭に掘られたレリーフの一枚)

 6月2日(日)、第二回連続フィールドワーク。参加者13名。
大石誠之助の名前間違い
 飯田橋駅西口から、富士見町教会が見える。大逆事件の犠牲者・大石誠之助の追悼会が開かれた。資料には「誠一郎」となっている。本当は誠之助が正しい。お詫びして訂正する。
 そこから進んで江戸城外堀・牛込門から内堀・田安門へ。旧軍医学校跡地から靖国神社を通って軍人会館へ。途中、朝鮮総聯中央本部ビルの前を通る。大村益次郎像から第一鳥居を通って偕行社跡を左に陸橋を渡り、常燈明台、軍人会館(今は九段会館)を巡り、最後にしょうけい館に寄る。今年は学芸員に解説を頼んだ。これが一番好評だった。

同じ場所に何度も行くということはその都度発見があって魅力的(岡野・しょうけい館前)

アンケート結果報告
省略

新聞記事

熊本日日新聞:旧熊本医科大 ハンセン病 骨格標本《2013年5月9日(木)》
熊本日日新聞:医学倫理無視 連なる人脈《2013年5月26日(日)》
熊本日日新聞:骨になってもまあだだよ《2013年5月30日(木)》

噂の『セデック・バレ』見ました

平野利子

 5月30日、『セデック・バレ』を見ました。ほとんどが戦いのシーンで疲れましたが、山と川と水がきれいでした。女達の戦いに対しての抗議の歌が、どういう国でも、民族でも同じようで悲しいなと思いましたが、勝ち目がないと知りながら命を懸けて始めた戦いは、やり抜くことがプライドと生き方なのだろうなと思いました。
 注目の投降した妊婦さん、そして、その後、生まれただろう子供達の事は、映画の中ではわかりませんでしたが、長い映画の最後の1分間で「首謀者モーナ・ルダオの遺体は事件から4年後に山中で発見され…一時陳列され、…台湾大学医学部標本室で発見され、1973年霧社の地に埋葬された。」という事実がわかりました。セデック族の頭目として、標本として拘束された39年間の無念さは耐え難いものだったろう。衣装、風貌、… どこかで見た記憶があると思ったら、『芸術新潮』(95年・11月号)でした。

七三一部隊展2013開催に向けて、順調に準備進む

安松 貉

それは1991年の訪中から始まった。91年、新宿で発見された人骨の身元確認のために七三一部隊犠牲者遺族を訪ねた。抗日戦争記念館で九・一八事変(盧溝橋事件)60周年を記念して、七三一部隊展を開催していた。そして中国側から、日本でも七三一部隊展を開催するなら貸し出す用意があると持ちかけられた。この提案が、その後日本でも七三一部隊展を開催するきっかけになる。
 あれから20年、その間に七三一部隊犠牲者遺族、細菌戦犠牲者及びその遺族との交流と国賠訴訟の取り組みがあり、新しい証言者や資料の発掘なども少しずつ進んでいる。また、昨年は『「戦争と医の倫理」の検証を進める会』が七三一部隊と医の倫理について、大規模なパネル展に取り組んだ。
しかし、社会全体を見れば、戦争中の日本の犯罪行為をなかったものとする論調が日増しに強くなり、七三一部隊の事実も歴史の闇に紛れようとする昨今である。
 ここで改めて、七三一部隊展開催20周年を記念して、この20年の研究成果を盛り込みつつ、七三一部隊問題を全く知らない世代にも事実をわかりやすく知らせるパネル展に取り組むことになった。

主催:「七三一部隊展2013」実行委員会

代表:山田朗明治大学教授・近藤昭二ディレクター・南典男弁護士

七三一部隊展パネル展示

8月7日(水)~24日(土)・9月4日(水)~10月26日(土)(休館日 日・月・火曜日)10時~16時

会場:明治大学生田キャンパス登戸資料館(無料)

七三一部隊展&20周年記念シンポジウム

七三一部隊展
8月29日(木)13時~21時 // 30日(金)9時~21時 // 31日(土)9時~17時
会場:明治大学リバティ・タワー13階1135教室
資料代:シンポ招待券付 1000円
9月9日(日)13時~16時30分
20周年記念シンポジウム
会場:同上1階1011教室
資料代:1000円
発言者:山田朗 / 吉中丈志 / 伊勢弘志 / 奈須重雄
証言者:七三一犠牲者遺族・張可偉さん / 細菌戦被害者・李宏華さん

2013年度 連続フィールドワーク
第3回陸軍士官学校と東京監獄

期日:9月29日(日)午後12時45分集合13時出発(雨天決行)
集合場所:JR市ヶ谷駅改札口
案内人:鳥居 靖
参加費:500円
コース:亀ヶ岡八幡宮(八紘一宇の碑、陸軍境界石…)→防衛省・自衛隊(陸軍士官学校・陸軍幼年学校跡)→陸軍経理学校跡→ 東京監獄・刑死者慰霊塔(大逆事件犠牲者刑死跡)→市谷監獄・青峰観音(高橋お伝斬首跡)

2013.6.30

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