軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』196号・要約

軍医学校関係者の聞き取り記録は保管されていた
―厚労省の倉庫に人骨由来調査の回答記録が存在

川村 一之(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会)

要望書を渡す

 人骨問題を究明する会は2019年3月20日、厚生科学課と話し合いを行なった。今年は人骨発見から30年を迎えることから、保管されている人骨の劣化状況などを確認してもらえないかと厚生科学課に迫ったが、担当課から出席した阿部友喜課長補佐は「人骨は尊厳をもって取り扱う」ことになっており、保管状況を目視で確認はしても、人骨を取り出すことは考えていないと答え、交渉は平行線に終わった。

 また、人骨の由来調査で厚生省が行なった陸軍軍医学校関係者の聞き取り調査の記録とアンケート調査の記録は、厚生労働省の倉庫に保管されていることを確認、公開可能性が高まった。

 厚生労働省(含 厚生省)は人骨由来調査にあたって、1992年10月から2003年2月にかけて陸軍軍医学校関係者7名から訪問と電話で聞き取り調査を行ない、2003年4月までに郵送によるアンケート調査を行ない204通の有効回答を得ている。その後、2010年4月から11月までに人骨や死体の由来について回答があった14名に面接(3名)と郵送(6名)で記載内容の確認を行なっている。更に2000年12月から2001年4月までに人骨の会が名簿提供した66名と同省が把握した3名の計69名のうち死亡者を除いた35名に対してアンケート調査を実施し、13名から返信、2名から電話回答をもらい、このうち2名に聴取調査を実施し、「人骨の由来調査」をまとめ、2001年6月14日に公表した。これらの記録はこれまで公開されていなかったから、もう一度原点に戻って記録を精査する必要があるだろうと思われる。

 厚生労働省との話し合いに参加したのは人骨の会から事務局長の鳥居靖、奈須重雄、長谷川順一、東海林次男、坂本礼奈、島村英子と川村一之の7人(常石敬一代表は所要のため欠席)。厚生科学課からは昨年に引き続き阿部友喜課長補佐。

 納骨施設について、2018年度は2月末現在で199名の訪問者があり、今年17回目となる拝礼を3月25日に関係者で執り行う。

 人骨の身元確認調査に関しては今年も「新たな調査の手がかり」が得られていないことから、要望した各種の鑑定などは実施しないという回答。

 私どもは縄文人骨の安定同位体比検査やミトコンドリアDNAの分析で生前の生活状況が判明している資料(富山県「小竹貝塚出土人骨一覧表」(武蔵大学 富樫雅彦氏 作成))を提出、科学的な鑑定が進んでいることの例証とした。

 阿部さんは4月で異動、後任に斎藤基輝課長補佐が着任。

(2019年4月12日 記)

恒例のお花見ウォーク 無事終了

鳥居 靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・事務局長)

 3月31日(日)午後、早稲田駅地下改札口に、お花見ウォークの19名の参加者が集った。

早大理工学研究所内の平和観音
天皇行幸記念碑

 始めに早稲田大学理工学研究所に建てられた戦災者供養観音、感通寺の平和の石碑等を見る。裏道を西にしばらく進むと陸軍軍医学校の関連施設と納骨施設、防疫研究室跡を見学。道一つ隔てて陸軍戸山学校跡、陸軍幼年学校と加害の歴史を歩く。大久保地区の高麗博物館に入り、3・1独立運動100年の特別展示を見学した。

戸山学校将校集会所前で記念写真
高麗博物館で大場さんの解説

 最後に、閉館時間を延長して私たちを歓迎してくれた高麗博物館と解説してくださった大場さんに感謝の意を表したい。

アンケート結果報告
省略
もう一つのお花見ウォーク
「府中・憲法の使い方講座」が人骨発見現場を訪問

安松 狢

 4月13日(日)午後、「府中・憲法の使い方講座」の主催により、人骨発見現場とその周辺のフィールドワークが開催された。参加者は10余名。

門衛所跡の書き換えられた謎の石柱
記念写真はやっぱりここ
参加者からの感想
船野・岩村:内容省略
新聞記事

毎日新聞:住宅から人骨500人分 足立 標本用にインドから輸入?《2019年2月23日(土)》
朝日新聞:人骨投棄した容疑《2019年4月12日(金)》

フィールドワーク

陸軍中野学校と豊多摩監獄
6月23日13時~

人骨発見30周年記念イベント

7月19日~21日:パネルと資料展
戸山サンライズ
フィールドワーク:長谷川、鳥居、坂本
講演:川村

2019.4.28

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