軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』142号・要約

「尊厳を損なわないように調査を進める」
人骨の会に厚労省が調査方針を説明:3月18日

川村 一之(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会)

要望書を提出
交渉終了後、参加者全員で記念写真

 究明する会は3月18日、厚生労働省と話し合った。同省は新年度に人体標本の発掘調査費を計上。発掘を担当する政策医療課監査指導室の納富修室長補佐は、

  1. 予算が成立した4月以降、発掘調査の方法を新宿区と調整しながら具体化する
  2. 発掘調査は戸山5号宿舎を解体したのちに行う
  3. 調査面積は3049平米
  4. 調査は人体標本が埋められているか否かの調査で、発見されれば警察に届け出る
  5. 発見後の調査は再度、予算要求する

 などの調査方針を説明

人骨問題交渉報告

出席者:

  • 厚生労働省大臣官房厚生科学課・飯野 賢一 課長補佐
  • 厚労省医政局政策医療課監査指導室・納富 修 室長補佐 飯吉 徹也 係長
    • 人骨の会:

      • 常石 敬一、鳥居 靖、渡辺 登、石川 久枝、平野 利子、根岸 恵子、長谷川 順一、川村 一之

      立合い:

      • 郡 和子 衆議院議員
      • 岡田 明彦 秘書

      以下省略

新たな人骨発掘問題に関する海外の報道

デイリーテレグラフ《 Telegraph.co.uk(2月15日)》
韓国文化放送(MBC)TVニュース(3回:3月19日~21日)
聨合ニュース(3月19日)https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=104&oid=001&aid=0003179005

2010年お花見ウォーク~「慰安婦」・人骨・植民地支配
大盛況の裡に無事終わる

安松 狢

 3月27日(土)、wamと高麗博物館でそれぞれ学習し、各資料館、博物館の間を、陸軍施設跡や人骨問題の関係施設を巡るというイベントが、wam、高麗博物館、人骨の会の三団体の共催で行われた。当日の一般参加者は約50名。

 Aコースは、10時にwamに集合、有村順子さんからwamと特別展示について説明。その後、長谷川順一さんの案内で防疫研究室跡から陸軍戸山学校等を巡り、陸軍戸山学校将校集会所前(現・戸山教会)でお花見を兼ねた昼食。納骨施設では川村一之さんから人骨問題の説明。高麗博物館では 関口澄子さんが会館の設立と経緯について説明。
 Bコースは逆のコースを辿り、高麗博物館では村上啓子さんが説明、フィールドワークは根岸恵子さんが案内した。

wamで加害証言を聴く
wamの展示を見学
高麗博物館
国立医療センター
発掘を(於戸山公園)
納骨施設

《アンケート結果》省略

「葵から菊へ 江戸から東京~地図で読む‘軍都東京’の系譜」
と題して第二回プレ学習会開催される

大竹 一郎

 長谷川順一氏による4月25日(日)に開催されたプレ学習会は、5月23日から始まる4回のフィールドワーク「東京の戦争遺跡を歩く」の事前学習会として開催された。収集された江戸の古地図や古い資料の数々は、さすが歴史探偵。明治40年当時の陸軍関係の諸学校一覧を見ると、牛込区に集中している。

連続フィールドワーク
東京の戦争遺跡を歩く
~『坂の上の雲』を斬る~

第一回:「日清・日露戦争『10万の英霊』」5月23日(日)午後1時~
第二回:「江戸から明治へ~近代国家への歩み~」9月26日(日)午後1時~
第三回:「秋山好古が学んだ陸軍士官学校」11月21日(日)午後1時~
第四回:「上野戦争の戦跡」2011年1月23日(日)午後1時~

「人体の不思議展」に関する海外での反応

編集:鳥居 靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・事務局長)

 3月28日、人体の不思議展開催に反対する富永智津子・元宮城学院女子大学教授が、日本解剖学会倫理委員会において同展に関する報告を行った。同委員会では同種の展示に対してガイドラインを作成する。富永さんの報告から海外の対応について報告する。

海外での反応
  • ドイツ
    • ミュンヘン市が展示を禁止(2003年『ドイツ医師会雑誌』)
    • ドイツ解剖学会による抗議声明(国際解剖学会のNews Letter, Plexus 2004年12月号)
  • フランス
    • 裁判所、人体標本の展示に中止命令(2009年4月)
  • アメリカ
    • ハワイ州では、人体展禁止を法制化(2009年6月)。ニューヨーク、フロリダ、ペンシルバニア、ワシントンなど全米各州や連邦議会でも法案が検討されている。

刊行書籍:『国に問われる責任―つぐないか、救いか』の紹介

鈴木 静・愛媛大学

日本の科学者(JOURNAL OF JAPANESE SCIENTIST) Vol.45 No.4 April 2010 に掲載

新聞記事

朝日新聞:朝鮮人連行帰れぬ遺骨 日韓市民新たに11人分発掘(2010年5月5日)
朝日新聞:朝鮮人の遺骨か新たに複数人分 北海道、調査終える(2010年5月8日)

人骨発見21周年専門家にきく!
軍医学校跡地の発掘調査で何がわかるか

日時:7月18日(日)午後1時30分~4時30分
菊池実さん(群馬県埋蔵文化財調査事業団主席専門員)等
資料代:1000円

2010.5.16

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