軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』125号・要約

新宿区議会が国に「防疫研究室跡地調査の早期実施」を求める

川村 一之(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会)

 私たちは6月1日、改選で新しいメンバーで構成された新宿区議会に「国に防疫研究室跡地調査の早期実施を求める陳情」を提出した。6月15日、新宿区議会・総務区民委員会が審査した結果、陳情は採択された。6月21日、この報告を受け、2007年第2回新宿区議会定例会本会議は、38人の議員全員が提出者となった「防疫研究室跡地調査の早期実施を求める意見書」を提出、可決をみた。意見書は新宿区議会の桑原公平議長名で、安倍晋三内閣総理大臣、柳澤伯夫厚生労働大臣、河野洋平衆議院議長、扇千景参議院議長あてに提出される。

(2007年6月21日)

新宿区議会第2回定例会一般質問 2007年6月13日

かわの 達男(社会)質問

 「戸山公園総合運動場の整備促進」について、東京都の買収が進まない要因のひとつは、この土地が旧陸軍軍医学校跡地であるから。昨年6月24日の新聞報道では、看護師の石井十世さんが当時の川崎厚生労働大臣と直接面会、89年に発見された人骨とは別に人体標本類が遺棄された事実を伝え、大臣は「戸山5号宿舎周辺を調査する」と明言した。そこは戸山公園の第2段階整備予定地内にあり、また旧陸軍の防疫研究室があった。国有地の売却や、国立国際医療センターの独立行政法人化への動きもあり、もしこのままの状態で新法人に引き継がれるならその後の取得は困難を極める。今こそ用地取得を確実なものとするときである。そこでお聞きします。

  1. この間、東京都および国立国際医療センターと、新宿区との話し合いの内容や経緯は?
  2. 東京都の用地買収が進まない要因はどこにあると区長は認識しているか。
  3. 懸案と言われている戸山5号宿舎の移転先問題について、東京都と連携し、新宿区も協力をするべきでは?
  4. 用地取得は東京都が行うが、問題点の整理と、解決に向けての区長の決意、そして戸山公園総合運動場の早期整備にかける教育委員会の心意気は如何に?

区長(総務部)答弁

  1. 昨年の7月から8月にかけて、国立国際医療センター及び東京都との話し合いを持ち、区としては総合運動場の整備促進について基本的な方針に変更がない旨を申し伝え、都の整備方針にも変更がないことを確認した。
  2. 用地の買収については都の動きを見守っていたが、現在まで動きはない。用地買収が進まないのは主に、この土地の経緯に問題がある。
  3. 戸山5号宿舎の移転先については所有者である国が候補地の検討をすべき。国から要請があれば、区としてできることは協力していく。
  4. 総合運動場の整備は重要な課題。引き続き、総合運動場の整備促進、早期実現に向け、東京都に強く要望していく。

「Archaeology」2006年 9月/10月号

暴かれたフランコの墓
スペイン、フランコ時代の犠牲者が彼らの話を語り始めた。

マイク・エルキン

翻訳:根岸 恵子

 2004年、バルセロナから匿名の手紙がフォンタノサスの市長、エミリオ・ヴァリエンテの元に届いた。その町は数十年にわたりフランコ独裁時代の多くの弾圧と虐殺の物語というひとつの秘密を守るために、人々はひそひそ声で暮らしてきた。
ヴァリエンテは「歴史の記憶回復協会(The Association for the Recovery of Historical Memory)」に連絡した。2月半ば過ぎの週末、協会の発掘チームが7人の遺骨を掘り起こした。
 スペイン内戦時にフランコ政権側、共和主義側双方に犠牲者が出た。フランコ政権側の遺体は独裁時代に多くが掘り出されているが、共和主義側の遺骨は放置されたまま。
 集団墓の発掘は、アルゼンチン、チリ、ペルー、グアテマラ、エルサルバドル、メキシコ、前のユーゴスラビア、ルワンダ、ケニア、イラク、・・・で行われ、いくつかのケースでは政府がこれらの努力を支援しているが、非営利のグループだけがプロジェクトを組織しているところもある。
 スペインの場合は、2002年にバスクの地方政府が集団墓地調査のための委員会を作った。2004年9月、中央政府もまた、内戦とフランコ主義の犠牲者の威厳を回復するための将来の法律作りのガイドラインをつくるために委員会を招集。市民のために関連資料の情報公開を緩和し、犠牲者に関する情報を集めた。

(次号に続く)

《紹介》戦没者追悼を正す全国連絡会副会長の秋山格乃助さんからのお便り

千鳥ヶ淵墓苑の実態を知ってください
千鳥ヶ淵墓苑に入れられた戦死者35万の叫びを代弁して訴えます

秋山 格乃助

内容省略

新聞記事

  • 6月1日:スポーツニッポン
    • 地下鉄サリン事件遺族 高橋シズエさんが要望「遺体一部保存説明を」
  • 6月6日:東京新聞
    • 戦時徴用実態調査へ
    • 歴史の闇に消えた記録
  • 6月7日:東京新聞
    • チチハル訴訟弁論開始 -日本政府争う姿勢
    • 毒ガスが人生奪った
  • 6月12日:朝日新聞
    • 731部隊長 郷里で無料診察 -戦後「罪滅ぼし」の表れ?

人骨発見18周年 医学史から見た戦争と医学

7月22日(日)

2007.7.1

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