軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』124号・要約

新たな人骨問題の進展は如何に?
~厚生労働省交渉を行う~

鳥居 靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・事務局長)

皆で記念写真《前列右から二人目が郡議員》
 3月13日(火)、衆議院第二議員会館第四会議室において厚生労働省交渉。究明する会からは常石、川村、渡辺、石川、平野、増田、根岸、鳥居が参加。他に郡和子衆議院議員(民主)、岡田明彦秘書、金田誠一事務所の谷口秘書とインターン秘書の大江さん、近藤昭一事務所の苫米地秘書が同席。厚生労働省側の参加者は、大臣官房厚生科学課の藤谷正課長補佐、医政局国立病院部の小川益男室長補佐、岩瀬康裕管財係長の3名。

「新たな人骨問題」について
 昨年、石井十世証言に基づいて厚労省の責任で戸山五号庁舎敷地の発掘調査を行う方向が示されたので、東京都、新宿区と三者の協議が始まった。また、新たに人骨が埋まっている可能性が高まった財務省若松住宅敷地については、財務省の判断待ちだが、財務省も近々この土地を売却する方針であることから、戸山五号庁舎と同じ状況になることは必至。

89年人骨について
 昨年4月以降、今年3月8日まで納骨施設を訪れた拝礼者は延べ190名。厚労省も拝礼式を行う。

これからの課題
 今後の調査について、自衛隊衛生学校(彰古館)が保管する、陸軍軍医学校が所有していた標本類や所蔵資料の品目リスト(含む移管リスト)の提出を求めた。
 昭和16(1941)年第31回日本病理学会総会において陸軍軍医学校病理学教室の平井正民軍医中佐は、特別講演で「昭和12年から昭和15年まで、全軍の解剖数は、約1886体。特殊研究班の行った218体を加えれば2000余体。そのうち700体は保存し、うち200体は軍医学校に送付」と述べた。また、軍陣病理の大橋成一は、「終戦後、(軍医学校の疎開先の山形から)戦傷に関する標本約20数点が、東京第一病院病理部へ、さらに昭和33年夏に自衛隊衛生学校に寄附された」と書いている。さらに自衛隊員向けの新聞「防衛ホーム」のシリーズ記事「彰古館往来」の31「終戦前後の軍医学校」の最後に、「標本館の貴重な展示品は、終戦による散逸を憂えた軍医たちの執念により、再び国立第一病院に集積されます。昭和31(1956)年、厚生大臣命で、全国の国立病院(旧陸海軍病院)の所蔵資料は衛生学校に移管され、現在も彰古館で我々が目にすることが出来る」とある。今後の調査に期待したい。

厚労省の責任
 戦後の土地所有者の変遷を調べるために不動産の登記簿の変遷の調査を依頼。標本類の処理は戦後、陸軍軍医学校の一部が東京第一病院に所有されていた時期。厚労省の責任は、単に現在土地所有者であるという以上のものがある。

要望書

「新・人体の不思議展」札幌展に抗議行動

小林 久公

 4月28日~7月1日開催の同展への反対運動の結果、札幌市スポーツ振興事業団がポスターを撤去。札幌市宛ての質問書、同回答、中国札幌総領事館への問合せなど。

(省略)

「戦争と医学」展:大阪で開催

第27回医学会総会で扱われなかったテーマに取り組む

鳥居 靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・事務局長)

 同総会に合わせて、戦争と医学パネル展示を実施、国際シンポジウムを開催。パネリストは七三一部隊罪証陳列館の王鵬館長、アメリカの生命倫理研究者のダニエル・ウィクラー氏、15年戦争と日本の医学・医療研究会名誉幹事長の莇昭三氏。
仙台の「『人体の不思議展』に疑問をもつ会」(代表・苅田啓史郎元東北大・生理学)は、ウィクラー氏に「人体の不思議展・BODY WORLD に関する訴え」を手渡した。

新聞記事

朝日新聞朝刊:731部隊訴訟 原告側上告を棄却【2007年5月10日(木)】

お花見ウォーク、無事に終わる

安松 狢

88年常石氏撮影:人骨発見後書き換えられる
 4月1日、陸軍軍医学校と陸軍戸山学校の周辺に絞って新たな人骨問題を中心テーマに歩く。参加者は新宿平和委員会の長谷川順一氏を含む19名。
最後にCNNのビデオも放映。

書き換え後の石柱の画像を見る 報告記

若松荘も今は官舎に
(戦後、七三一部隊の隊長石井四郎が住んでいたらしい)
厚生労働省戸山第五庁舎:大量の医学標本類が遺棄された?

2007.5.20

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