軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』123号・要約

《恒例》2007年お花見ウォーク
新たな人骨問題~人骨は未だそこにある~

日時:4月1日
集合場所:若松河田駅
資料代:500円

新聞記事

読売新聞:明治の「医療現場」発見 東大に写真1000枚超(2007年1月1日)
産経新聞:旧日本軍「細菌戦研究」の実態 石井中将尋問記録も(2007年1月18日)

常石氏によれば、今回新たな資料が公開されたわけではない。

「東京地理教育研究会」会報414号 新宿区戸山地域を歩く

内容省略

人骨発見17周年集会『七三一部隊-実像と虚像』

講演録・その4

スライド29

 「右の論文は部隊の陸軍技師、吉村寿人が戦後発表したものである。生後3日の赤ん坊を実験対象としている。」と書いた。こうした人体実験の論文が、戦後になって英文の学会誌に発表された。731部隊の人体実験が、医学界では公然の秘密だった。

スライド30

 左右は同じ写真。
 左の写真のキャプションは「鉄嶺に於けるペスト死体解剖、其二」(明治43年・44年南満洲ペスト流行誌附録写真帖)。右は森村誠一さんの『続・悪魔の飽食』に出ていたときは「マルタの運命・四 女子を問わず、解剖された」となっていたが、シェルドン・ハリスの『死の工場』では「生物戦実験の被害者を解剖する731部隊の科学者」として採用されている。残酷非道な人体実験と献身的な医療活動、外見的に区別することは難しい。

スライド31

 先ほどと同じ、情報の独り歩きについて取り上げる。1999年11月29日付の朝日新聞の記事。中国の研究者・郭さんは生物兵器で中国人27万人が死亡と主張している。森正孝さんは、被害者1万人の名簿を出したとコメントしている。僕(常石)は多くても1000人ぐらいではないかと言っている。ペストによる死者は27万人かもしれない。しかし、ペスト菌の発見は1894年の香港の流行。1910~11年には満洲で5万人死んでいる。それが全部人為的なものかどうか?それを明らかにするのは、先ほどの寧波のような地道な疫学的調査である。

スライド32

 生物兵器は本当に貧者の核兵器か? 正確な計算ではないが、広島の原爆1発分の被害を及ぼすためにはサリンのような化学兵器は22発必要。ミサイル22発をいっぺんに打ち込める国が貧者か? 生物・化学兵器の禁止条約は、核大国の間の話し合いで成立している。核大国の都合で議論が進み、その中で「貧者の核兵器」という情報操作があったのではないか。
自分も踊らされていた。

全画像

質疑応答

人骨の会で50人を超える集会は珍しい
講演の後も会場からは活発な質疑・討論があった

  • 《質問》
    •  新宿の人骨は必ずしも731部隊のものではないというお話だったが、だとしたらどういうケースのものなのか。
  • 《答》
    •  人体実験を行っていたのは731部隊だけではなく、戦地の陸軍病院や戦場からのものもある。また、異民族の珍しい骨を集めたということもあり得る。
  • 《質問》
    •  天然痘ウィルスをロシアが保管し、将来また生物兵器として使うような話を聴いたことがあるが?
  • 《答》
    •  天然痘は何十年も前に撲滅し、万一の事を考えてアメリカのアトランタとソ連(当時)のモスクワに保管することになった。ところが、1993年にアメリカに亡命したK・アベリックというロシアの生物化学兵器の専門家が、天然痘ワクチンの生物化学兵器化を考えていたことを暴露した。こうしたものの流出が怖い。実は兵器化されるウィルスとワクチンウィルスは別のものだから、とっておくというのは意味がなかった。ワクチンの専門家は当時もっと強く主張しておけばよかったと反省している。

2007.3.9

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