軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College

『究明する会ニュース』113号・要約

2005年人骨問題研究会

病理標本は誰のもの?

12月18日(日)午後1時30分~4時
新宿消費生活センター第2会議室
根岸恵子、平野利子(人骨問題を究明する会会員)

私的・満洲医科大学の研究
「カシンペック氏病ノ病理解剖學的竝ニ組織學的研究(上)」に思う

鳥居 靖(軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会・事務局長)

 だいぶ前、奈須重雄さんから昭和15(1940)年10月の日新医学の論文コピーを頂いた。人骨発見16周年で末永恵子先生のお話を伺った後で前記論文を読み返すと、改めて満洲医科大学の戦時医学に果たした役割が浮かび上がってきた。
 論文テーマは「カシンペック氏病ノ病理解剖學的竝ニ組織學的研究(上)」、執筆者は満洲醫科大學高森内科教室(主任 高森教授)、醫學士・鈴木道三郎氏。
 匪賊の襲来に会った一村落に彼らが入り、カシンベック氏病の標本集めをしたという内容。村民に対する同情や援助の気持ちよりも、「カシンベック氏病患者の新鮮な遺体が手に入ること」に対する執筆者の強い期待と喜びが感じとれる。事実上の植民地であった満洲傀儡国家の内で、(倫理上)極めて乱暴な方法で死体や医学標本の蒐集を行っていたことをうかがわせる。
日新医学S.15.10より
中国共産党中央党史研究会
旧陸軍軍医学校跡地をフィールドワーク

根岸 恵子

 9月19日にフリージャーナリストの篠原常一郎さんの紹介で、中国から来日中の歴史研究者を案内した。参加したのは中国共産党中央党史研究室研究員・中国社会科学院・林暁光法学博士、資料編纂部・呑君氏ら4名と篠原さん。人骨の会からは渡辺、石川、鳥居、根岸が同行。
 大久保駅から公営社(遺骨が保管されていた)、陸軍技術本部や陸軍科学研究所跡地(毒ガスの研究をしていた)、海城学園(旧海軍関係の施設)を経て、陸軍戸山ヶ原射撃場跡地の土盛りに沿って歩き、箱根山方面の戸山学校将校会議室跡へ。この石組は戦跡として朝日新聞が取り上げていた。そこからいよいよ防疫研究室跡地(現在国際医療センターの職員寮)を通って、人骨発見場所(国立感染症研究所)へ。休憩を兼ねて近くの障害者センターの喫茶で小さな親睦会を開いた。
 私個人としては以後も互いに連絡を取り合い、人骨問題の究明に向かい齟齬のない共通の歴史認識を共有していきたい。

一行、納骨施設を見学
納骨施設のプレートを見ながら、渡辺さんの説明を聴く
新聞記事

朝日新聞:2005年8月23日 戦後60年 戦跡は語る 陸軍戸山学校の会議室
神奈川新聞:2005年8月15日 731部隊に現金供与
朝日新聞:2005年9月29日 徴用朝鮮人 遺骨、868人分を確認

新刊発行
戦時医学の実態 旧満洲医科大学の研究

編集 軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会/ 講演:末永 恵子
頒価 500円

2005.11.22

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