The association demanding investigationon human bones discovered from the site of the Army Medical College
~納骨施設とその周辺を探る~
期日:3月27日
集合:戸山社会教育会館
資料代:500円
人骨(ほね)と歩んだ15年
(以下次号)
樺太先住民族と北大人骨問題
講師は札幌にある北海道文学館の学芸員で、ウィルタ協会会員の青柳文吉さん。北海道やサハリンの歴史に興味をもち、アイヌの人たちの歴史をふくめ研究をすすめている。
青柳さんが所属するウィルタ協会は戦後サハリンから移住してきたニブフやウィルタの人たち、アイヌの人たちの人権や暮らしを守ろうと、30年くらい前に立ち上がった団体である。
1995年、北海道大学構内で人骨が入った段ボール箱が見つかった。すぐさま北海道大学文学部は人骨問題調査委員会を設け、一方学外では、ウィルタ協会も参加して人骨問題の究明委員会がつくられた。一部は返還され、ウィルタとみられる骨についても調査報告書も出されたが、これらの人骨「標本」の入手経路は明らかにされず、青柳さんや究明委員会は杜撰な調査であると批判してきた。去年8月、サハリンの少数民族の要望により北大文学部は慰霊碑をつくり、頭骨を返還・埋葬した。
サハリンには様々な少数民族が生活していた。日本とロシアの領土争いの中で、彼らの生活は奪われていった。アイヌ以外の少数民族が集められていた「オタスの杜」から持ち出されたと思われる頭蓋骨が北大から見つかった。それはどういう経路で北大に持ち込まれたのかは分からないが、戦前の人類学者はかなり勝手に頭骨などを持ち出していた。
青柳さんは、北大構内に放置されていた人骨は、このような形でさまざまな人の手を経て持ち込まれ、「標本」として登録される以前のもので、それがいつの間にか忘れ去られ、このたびたまたま見つかったものではないかと考えている。
青柳さんは今、サハリンの先住民族と日本人がどういう関係を持っていたかということを調べており、現地調査も重ねている。しかし、北大人骨事件に関する情報はお年寄りがもうおらず、具体的なことは分からない。なかなか厳しい状況ではあるが、今後も調査研究を進めて行きたいと語った。
2005.3.5
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